成功する人がいる一方、失敗する人もいる
不動産投資は資産運用の手段として株式やFXに比べてローリスクだといわれています。確かに不動産投資によって、経済的自立を成し得てアーリーリタイアを実現した人、本業以外にもう一つの収入源を確立した人などの成功者は少なからずいます。
しかし一方で、失敗により人生が狂ってしまった人も多数いるという現実を知っておかなければなりません。いくら不動産投資がローリスクとはいえ、それはきちんとした投資判断がなされた物件を購入した場合の話であり、間違った購入の仕方をすればそれはハイリスクに豹変するわけです。
ローリスクという言葉に惑わされ、安易にはじめてしまう初心者の方は高い確率で失敗するといってもいいでしょう。
不動産営業マンの謳い文句に乗せられ…ワンルームマンションを購入
Aさんの同僚はすでに首都圏に3室の新築区分マンションを保有しており、節税が可能なことや不労所得を得ている事、クレジットローンが終われば財産として手元に残り、年金代わりになる、などの良いところをAさんに話していました。
同僚の勧めで、6年前から不動産投資をはじめました。
その直後に付け足しで1室購入する事になったのですが、1室目の購入から3年が経過したころ、ある事件が起きました。
Aさんは京都府内の一流企業のメーカーに勤めるサラリーマンです。
実のところに購入してみると、月次1万円近く手出しが生じる状況でしたが、その営業マンからは「今から毎月少しずつ負担することで今後の年金を確保できますし、確定申告すれば所得税・住民税の局所が戻ってきますので心配無用です」と説明されていました。
さらに個室(部屋)は売主である不動産会社が借り上げて家賃保証するので、毎月安定的に家賃が入ってきますので心配無用です」との説明を受けたAさんは、新築区分マンションを購入することにしました。
「自己資金を全くと言っていいほど使わず、月々わずかのコスト負担で投資)ができます。
何か安定的な資産運用ができないかと考慮していたAさんは、同僚の話を聞いて直ちにに乗り気になり、しばらくして同僚から不動産販売会社の営業マンを紹介されたそうです。
1年目は不動産所得が赤字となりましたが、給与所得との損益通算で税金還付がありました。
それを聞いたAさんは困惑しましたが、「万が一要件に承諾がいかなければ契約を終了してもよい」といわれ、しぶしぶその要件で契約更新する事にしました。
家賃保証の契約を更新するにあたり、不動産企業から賃料時価の下落に伴い、保証家賃の値段を10%下げてくれと連絡が入ったのです。
その上、同頃合に今度はマンション総体の管理費・修繕積立金の値上げの話も出てきました。
もう1室についても同じくにサポート家賃減額の話が入り、すべて承諾する事にしたそうです。
巨大資本会社に勤務しているAさんは何とか入金を続けられていますが、これ以上物件を保有しても良い面はないと腹積もり、目下は2室とも売りに出しています。
ただし、売値は貸し出しの残債よりも低い査定しか付かず、足りないところはお金から一括償還しなければいけない状況で、売るに売れない様子です。
はじめに購買した物件の2回目の家賃保証の更新タイミングを迎えるAさんは、早く物件の買い手が現れるのを待ち望んでいます。
最初から保証家賃から貸付金の返金費・管理費・修繕積立金を引くと、1室あたり月次1万円程度の手出しがありましたが、これらの前提をのんだ結果、今ではトータル4万円となっています。