2019年5月に長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を悪用した大規模な不正融資事件が発覚しました。フラット35は本来、住宅ローンの融資のための金融商品です。しかし悪徳不動産業者が、賃貸収益を目的として「フラット35」の不正利用をして融資を引き出していたことが発覚しました。
不動産のプロである不動産業者から言われるがままに投資用物件に「フラット35」を利用し運用していたら、ある日銀行から強制解約され全額返金を要求されてしまい、返すお金もなく自己破産。。
そんな「フラット35不正融資事件」をご説明したいと思います。
フラット35とは何か?
住宅を購入する際などにフラット35という言葉を聞くことがあると思います。そのフラット35とは、全国にある金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利型住宅ローンです。
申込者本人が住む新築または中古住宅の購入資金にご利用することが可能となっています。
・申し込み時の年齢が70歳未満(親子リレー返済を除く)
・総返済負担率が年収400万円未満の人は30%以下、年収400万円以上の人は35%以下
・申込者本人もしくは親族が居住する新築住宅の建築・購入、中古住宅の購入
・借り入れ対象となる住宅に床面積などの条件あり
フラット35を利用した不動産投資で不正な融資
そのフラット35の規約として"第三者に賃貸する目的の物件などの投資用物件の取得資金にはご利用できません"と注意事項があります。フラット35とは、マイホーム購入のための住宅ローンなのです。
要するに、不動産投資に使われた場合にはフラット35の本来の目的ではなく契約違反になるんです。
不正融資事件の内容について
通常であれば自宅用でないと借りられないフラット35ですが、いったん住民票を物件に移してから賃貸にするなどという抜け道を、不動産業者などが教授し不正利用されていました。不正活用された背景として、このようなやむを得ない事情がある時の条件を曲解している事も挙げられるでしょう。
実際に担当者から「みんな活用しているから問題なし」「サブリースで賃料収入から償還可能なので危険性はない」などと解説され、契約を結ぶ不動産投資かもいたようで、被害は30億円以上にもなるようです。
フラット35を不正利用した人の末路は?
契約違反とみなされれば、賃貸契約の場合でも突然契約解除をする事も可能です。契約書にもそう記載があるので不正に利用した人は、フラット35から「違反なので解約です。」と契約を打ち切られ「ローンの残高をすぐに支払って下さい。」となるわけです。
該当項目があるなら危険信号
規約違反にもしかして該当するかもという方がいるならば、それは危険信号です。
自らが居住する予定はあったのか?
投資用に住宅ローンを利用しようとする人がいるのですが、それは明らかな契約違反になってしまいます。定期的にはがきなどの郵送で本人が住んでいるのか確認する他にも現地調査など申込者が想像しているよりもの確認は行われています。フラット35を利用しているならば危険信号かもしれません。
賃貸募集はどのようにして集ったのか?
物件を購入することが決まり、フラット35のローン審査直後に賃貸募集を集ったりしていませんか?そうなればあからさまに住む意思がないと判断させてしまいます。もしそのような賃貸契約書があれば、強制解約されてしまう可能性は高いでしょう。
住民票はどうしていたのか?
住宅ローンが通ったのちに投資用の場合は住民票を他の住まいに移すことになります。しかし、フラット35では住所の変更があった場合には届出をする義務のあります。
家賃収入の確定申告は?
賃貸物件の家賃収入は確定申告していれば、投資用として規約違反をしていることが発覚してしまいます。もし確定申告していなければ、それは脱税で別の容疑もかかってしまいかねません。